夫にできること(1)

夫にできること(1)

身近な病気であることを知る

乳がんは、女性にできるがんの中で最も多く、生涯のうちに乳がんにかかる日本人女性は今や20人に1人といわれています。今後はさらにその数は増えることが予想されています。また、現在は40-50代に最もかかりやすいがんですが、さらに若い世代での罹患者数が増えていくことが懸念されています。「がんは高齢者の病気」「将来的には怖いけど、自分にはまだ関係ないこと」ではなく、乳がんはとても身近な病気なのです。

しかし、乳がんはがんの中でも比較的性質の優しいがんのひとつなので、早期発見して、適切な治療をすれば90%以上治すことができます。早期発見するためには、自己触診が大切です。ご夫婦で関心をもって定期的(月1回)に自己触診の機会を持つことは、早期発見の第一歩です。ただ、自己触診だけでは見つけることが難しいという現状もありますので、2年に1度はマンモグラフィと専門の医師による診察を受けることが何よりも、大切ないのちを守ることにつながるのです。

検診に行くことを勧める

早期発見はとても大切だということはわかっていても、30-50代の女性は、日々の家事や育児、仕事に追われ、あるいは家族の用事を優先するあまり、検診を先延ばしにしてしまう傾向があります。また、自己触診によって小さなしこりを発見していたとしても、
「何かの間違いで、明日になったらなくなっているかも」
「子どもの受験を控えていて、今、がんが見つかっても困る」
「もし乳がんだったら、おっぱいがなくなるかと思うと怖い」
といった理由などから、病院へ行くまでに時間がかかってしまい、結果的に手遅れになってしまうケースがあります。しこりを訴えてくる患者さんの約80%は良性とのデータもあります。

「がんかもしれない」と何日も思い悩む前に、一日も早く診察を受けた方が良いでしょう。誰でもがんができていることを知るのは怖いです。また、目先の現実的な予定に追われて、自分の身体への関心が下がるということもよくあることでしょう。けれど、乳がんは、早期発見により完全に治る確率が飛躍的に高まるがんです。一番近くにいる家族・恋人であるあなたが、背中を押して、検診にいくことを勧めてあげてください。