術後の治療と再発・転移

術後の治療と再発・転移

今回の調査で、精神的健康度を測定したところ、一般男性に比べて、乳がんに罹患した妻をもつ配偶者は精神的な健康度が低いことがわかりました。がんにかかった本人よりも、実はその配偶者やパートナーの方が、精神的に不健康な状態にあるという報告がいくつもあります。その理由は、大切な配偶者が今まで経験したことのない病にかかってしまったというストレスに加えて、配偶者を支える立場になり、生活をこれまで通り回していくための実質的な大変さや、治療や将来に対する精神的な不安などがうまれやすいからだと言われています

そんな時に大切なことは、「自分は今ストレスがかかっている状態にあるんだ」ということをまずは自覚することです。自覚がないまま、ある種の過覚醒状態で頑張りすぎてしまうと、長期戦になる乳がんとの闘いの中で、心が折れそうになってしまうことがあります。もちろん油断は禁物ですが、乳がんは比較的性格の優しいがんですので、長期的につきあっていく気持ちで、配偶者と取り組んでいくことが大切です。

サポーターとしての夫の心配ごと

大切な妻が乳がんに罹患したことで、57%の配偶者が「配偶者の自分だからこそできるサポートがある」と感じている一方で、40%の配偶者は「男性である自分よりも、女性がサポートするのが一番良い」、33%の配偶者は「素人である自分よりも医療者にすべて任せるのが良い」と回答しています。確かに、同じ乳がん患者同士だからわかり合えること、専門家である医療者に頼りたいこともあるでしょう。乳がんになってしまった奥さまも、そこまで配偶者であるあなたに求めているとは思いません。けれど、やはり家族であり、夫であるあなたにだから聞いてほしいこと、支えてほしいことが必ずあるはずです。配偶者に期待されるサポートや役割は、夫婦によって異なりますが、乳がんになったからと特別に何か変化させないといけないことはありません。これまで築き上げてきたお互いにとって心地よい接し合い方の延長に、これからのお互いにとってもかけがえのない接し合い方があるのではないでしょうか。

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