術後の治療と再発・転移

術後補助療法

手術で腫瘍を取り除いたのに、なぜ術後にも治療を続けなくてはいけないのか疑問に思う方も多いようですが、術後補助療法は、手術の時点では見つけることのできない、ごく小さながん細胞を標的として行う治療で、乳がんの再発・転移を予防することを目的として行います。術後に、リンパ節転移やホルモン受容体の状況、しこりの大きさ、がんの顔つき、年齢などを考慮して、抗がん剤やホルモン剤を用いて治療します。身体の中にあるかもしれないまだ見えないがん細胞に対する治療なので、どれくらい効果があるのか目に見えてわからないこと、多くが術後5〜10年続けなければいけないこと、副作用があることなどから、続けることに負担を感じる方も少なくありませんが、これまでの研究で続けることで再発予防に効果があることがわかっています。

副作用

乳がんは、他のがんに比べると、抗がん剤やホルモン剤がよく効くといわれていますが、これらの治療には副作用がつきまといます。もっとも一般的なのは、悪心・嘔吐、食欲不振、脱毛、発熱、口内炎、しびれ、更年期のような症状、全身倦怠感です。出現しやすい副作用は使う薬によっても違いますし、その程度には個人差がありますが、副作用を和らげる薬もぞくぞくと開発されてきていますので、つらい症状についてはあまり我慢せずに、医師に相談してください。また、自分が使用している薬剤の名前と効果、それに副作用の現れ方を理解しておくことで、症状が現れても、落ち着いて対処ができます。

患者会の活動

様々な病気の患者会がありますが、その中でも乳がんの患者会は数が多く、様々な活動を活発に行っています。病院が主体となった会や、患者が主体となった会、インターネット上での会などその形は様々です。活動は、乳がんに関する正しい知識を得るための勉強会や相談会、気持ちを共有する場を提供するおしゃべり会、乳がん撲滅を目指したピンクリボン運動への参加や検診啓発活動、など多岐にわたります。同じ経験をした者同士だからこそ、分かり合えることや、助け合えることが見つかり、輝きを持って活動されている方々がたくさんいらっしゃいます。勇気をもって参加してみることで、気持ちが軽くなったり、新たな自分の活躍できる居場所が見つかることもあるかもしれません。

再発・転移

残念ながら、手術しても治療を続けていても、再発をしてしまうことがあります。乳がんの再発には、手術した場所に再発する局所再発と、他の臓器やリンパ節に再発する遠隔転移があります。乳がんは、他の部位のがんに比べて、進行が遅いこともあり、術後10年経ってから再発することもあります。治療は、個人の状態にもよりますが、手術ができるところは手術をして、放射線療法や化学療法を続けることが一般的です。再発すると根治は難しいですが、それでも薬がよく効く場合が多いですし、新しい治療法も日進月歩で開発されていますので、諦めずに前向きに治療を続けることが大切です。

代替療法

代替療法とは、現代西洋医学にとって代わる、言葉通り代替する医療です。また、補完医療とは、現在私たちが受けている西洋医学を補う、補完する医療です。この2つの医療は、別々に異なる側面もありますが、多くは分けることが難しく、まとめて「補完代替医療」と呼ばれています。日本では、健康食品やアロマセラピー、漢方薬、鍼灸などがよく行われています。補完代替療法に関する無数にある情報から、信頼できる限られた情報を見極めることが、非常に重要です。